渓流釣りで魚を釣った後、どうやって持ち帰ればいいのか、ちょっち悩みがち。
釣った渓流魚は、お魚屋さんに並んでいる魚よりも鮮度が抜群の状態。適切に持ち帰らないと、せっかくの鮮度や旨みが台無しに‥。
今回は、そんな渓流魚の締め方や持ち帰り方をご紹介します。美味しく持ち帰りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
01
美味しく持ち帰るためにすること
List

渓流釣りの場合、ニジマスなど釣った魚をビクやクーラーボックスに入れておきます。そこに何匹もストックしていくと、魚は泳げないことや高密度によってストレスを感じて暴れまくります。このストレスによって魚は大量のエネルギーを消費するとともに旨みを落としていきます。この何も処理をせず自然死させることを「野締め(のじめ)」といいます。この締め方は、よくない締め方。命を頂く者として「野締め」はしないようにしましょう。
こんなことに
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POINT.1
旨み成分が分解され味が落ちる
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POINT.2
鮮度が維持できず腐敗が早まる
生かして捕獲していてもストレスをかけていたり暴れて窒息死させてしまった場合は、魚の旨みを多く失い美味しく持ち帰ることができません。鮮度が維持できず腐敗が早まってしまう原因になります。鮮度を維持し腐敗を遅らせるために、締めることが必要になってきます。
02
締めるとは
Shime
締めるということは、魚を「即死」させることをいいます。絶命したという筋肉への信号伝達を遅らせ、死後硬直を遅らせます。こうすることで腐敗するまでの時間を稼ぐことができ鮮度を長く保つことができます。エラやハラワタは熱を持ちやすく腐敗しやすいので、すぐ処理しましょう。血は身に移ると生臭さの原因になるので、血合いなど丁寧に取り除きます。慣れないうちは、かなり抵抗があると思いますが、魚を苦しませないためにもしっかりと締めます。「お前の死は絶対だ」という気持ちで‥。
03
脳天を刺して締める
Head
では、実際にどうやって締めるのか?そのひとつに「脳天締め」があります。渓流魚の急所である脳天にナイフを刺し込み少し左右にねじり、素早く脳を破壊して即死させます。脳は目と目の間の上で、三角形を結ぶ位置あたりにあります。骨がやや硬いですが、直接上から刺します。硬くて難しい場合は、目と目の間に柔らかい箇所があるので、そこからナイフ刺して奥(横方向)へと刺すとやりやすいです。骨が柔らかい箇所は、軽くナイフで突いていくと確認することができます。うまくいくと、魚の目が「カッ!」と変わるので、変化を見逃さないように。慣れれば、秒で締めることができます。
手順
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STEP.1
目と目の間の上を刺す
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STEP.2
少し左右にねじり確実に即死させる
ネイティブな渓流や源流でおすすめの締め方です。締めたらそのままハラワタ取りに移りましょう。
サビに強く握りやすいグリップと水抜き穴が付いたシースで使いやすい!
オールブラックのデザインがカッコよく、トラウトなど釣った魚の締めや捌くのに便利です。
型番 | CT-511N |
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04
背骨を切断して締める
Spine
エラからナイフを入れ、背の方へ背骨に目がけて切断することで締めることもできます。脊髄を切断することで即死状態にします。尾の付け根側も背骨を切断します。こうすることで血抜きをすることができます。この締め方は、海釣りでも活用される定番の締め方ですよね。中型から大型魚に適したおすすめな方法になります。
手順
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STEP.1
エラにナイフを入れ、背骨を切断する
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STEP.2
尾の付け根側の背骨を切断する
下流域では、降海型の大型モンスターが釣れることがあるので、このような締め方も覚えておくと、小型から大型魚まで対処できるようになります。
05
氷締めで締める
Ice
釣り初心者に、一番おすすめな締め方が「氷締め」!クーラーボックスを用意して氷水をつくり、釣ったらそのまま入れて温度差ショックで凍死させます。「氷締め」といい、渓流魚などの小型魚でおすすめな締め方です。氷はコンビニで購入したり、事前にペットボトルに水を入れ冷凍で凍らせておくなどの方法があります。渓流の管理釣り場で、拠点を作って移動が少ないスタイルで釣るときにぴったりです。
手順
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STEP.1
クーラーボックスに氷水を作り、キンキンにする
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STEP.2
釣ったらビニール袋に入れ、氷水に入れる。(魚に直接水を当てない)
釣った魚は、すべてビニール袋に包んでおくとよいです。ヤマメ、イワナは長時間水に浸けてしまうと味が落ちてしまいます。ニジマスは、体表のヌメりが多いので水分が体内に行き渡りにくく、多少長く浸けていても大丈夫です。帰るときは、氷水を捨てていきましょう。
管理釣り場などでのフィッシングやアウトドアに最適なクーラーボックス!
コンパクトで軽量のため持ち運びやすく、小物釣りに最適なサイズのクーラーボックスです。
重量 | 1.7kg |
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容量 | 8L |
内寸 | 15 × 28 × 19cm |
外寸 | 23 × 35 × 25cm |
06
魚が暴れる場合の対処法
Hit
「ヌルヌルするし、暴れて掴みにくい!」と、なかなか魚を押さえつけるのに苦労するかも。そんなときは、デコピンをして失神させます。脳天を刺すときと同様に目と目の間の上を狙うようにします。木の棒や岩、ナイフの背などで頭を叩くのも効果的ですが、あまり強く叩くと頭の傷が腐敗の原因になるので気をつけます。衝撃を与えて動かなくなったら、ナイフやハサミで締めて、ハラワタやエラを処理しましょう。
魚の締めはもちろん、PEラインなども切りやすい万能ハサミ!
握りやすさを追求したハンドル形状と、魚が滑りにくいギザ刃で使いやすいハサミです。
型番 | CT-524P |
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サイズ | 195 × 82 × 12mm |
07
ハラワタ取りの方法
After
締めた後は、最終的にエラやハラワタをすべて取り除きます。しっかり処理することで生臭さが身に移るのを防ぐことができます。管理釣り場の場合は、用意されている処理場で処理をします。ハラワタはナイフやハサミを魚のお尻に刺して、お腹をエラまで裂き取ります。ハラワタを取った後は背中に血合いがあるので、包丁や親指で削ぎ落とします。エラは、左右のエラの付け根(アゴ部分)を切るとエラが出るので、そのままむしり取ります。
08
割り箸でハラワタを取る「ツボ抜き」
No cut
「ツボ抜き」という割り箸を使ったハラワタ取りがあります。締めた後に、二本の割り箸を口から腹の奥にかけて入れます。そのまま魚を3回転ほど回転させた後に、エラとハラワタをまとめて引き抜きます。割り箸は口からエラの外側を通して腹の奥まで入れるようにします。

手順
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STEP.1
割り箸を口からを入れ、エラの外側を通して出す
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STEP.2
出した割り箸を再び、腹の中へと差し込む
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STEP.3
魚を3回転させて引き抜く
渓流魚では、ナイフなどを使って処理するのが主流ですが、このような方法も覚えておくとよいです。
MEMO
ハラワタを捨てるのは川?山?
ネイティブな渓流や源流で処理したエラやハラワタは、川の中ではなく山の中に捨てるようにします。山の中に捨てることで、昆虫や小動物の餌になります。川の中に捨ててしまうと、エラやハラワタは分解されないので川を汚してしまいます。加えて血などの臭いは、他の渓流魚の警戒心を高めてしまう可能性があります。
管理釣り場の場合は処理場があるので、各釣り場の適切な場所に捨てるようにしましょう。
09
上手な持ち帰り方
Take out
持ち帰るときは、クーラーボックスに用意すると便利です。魚と一緒に保冷剤や氷などを入れます。重ねず、1匹ずつ分けて袋に包むと痛みにくくなり臭い移りも軽減できます。氷焼や冷えすぎて死後硬直が早くならないために、保冷剤等の上に新聞紙などを敷いておくとよいです。
クーラーボックス
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POINT
持ち運ぶための保冷に優れた容器
ビニール袋
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POINT
魚を水や氷に直接触れるのを防ぐ
新聞紙
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POINT
魚を冷やしすぎないためのクッション
保冷剤や氷
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POINT
冷やして腐敗を抑える(冷え過ぎ厳禁)
氷はコンビニで購入し袋のまま入れておくと、溶けた後の水こぼれの心配がありません。
管理釣り場の場合は、塩焼きにしてもらうことができます。生の状態で持ち帰らず、一度火を通すのも方法のひとつです。クーラーボックスが必要になりません。ですが、焼き魚の臭いがでるので、臭い移りに注意しましょう。
10
手に付いた臭いを落とす方法
Smell
「う”っ、くさい‥.。」魚を扱うと、あなたの手は臭くなります。魚の下処理、手に魚の生臭い臭いが付いてしまうことが多いんです。この臭い、普通の石鹸では臭いがなかなか取れず、不快に感じることがあります。そんなときは、あらかじめ専用の石鹸を用意しておくと便利。臭いが取れ、その後の食事などの行動が快適になります。
半永久的に使うことができる脱臭専用石鹸!
ステンレスと水と空気の触媒反応を利用した石鹸です。ステレンスなので錆びにくく半永久的に使える逸品です。使う時は、普通の石鹸と同じように流水で使います。魚の下処理をした後の手におすすめです。
重さ | 87g |
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素材 | ステンレス |
魚市場や魚屋さんで使われている消臭剤!
車の中やタックルボックス、クーラーボックスの臭いを消すときはスプレータイプが便利です。イオンパワーで瞬感消臭してくれます。
サイズ | 90 × 50 × 190mm |
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内容量 | 300ml |
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まとめ
Summary
渓流魚を釣ったら適切に締め持ち帰ることで、鮮度を保ち美味しく食べることができます。氷締めは小型魚に最適で手軽にできるので、初心者の方にもおすすめです。持ち帰ることを前提にしている場合は、クーラーボックス、氷など万全の準備をしていきましょう。
ティーチャーの用語チェック | |
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締める | 魚を即死させ死後硬直を遅らせること |
野締め | 魚を自然死させること |