ミャク釣りは、渓流釣りを楽しむ釣法のひとつです。シンプルな仕掛けなので、初心者の方でも楽しむことができます。されど、奥が深い釣りのひとつです。
目次
01
ミャク釣りとは
Miak fishing
ミャク釣りは、竿にウキをつけず、オモリと目印のみのシンプルな仕掛けです。渓流の流れに餌を乗せ、指先や目印の動きなどで魚のアタリを感じてアワセます。ミャク釣りは「魚の脈を感じる」ということから名付けられたと言われています。リールを必要としないため、糸のトラブルも少なく初心者の方にもおすすめな釣り方です。
02
仕掛けの構造
Tool
ミャク釣りの仕掛作りにおいて、自分で仕掛けを作れるようにしておくとよいです。材料費のコスパがよく、あらゆる延べ竿の長さに合わせることができます。
天井糸からハリまでの仕掛けの全長は、延べ竿の長さよりも30cm〜50cmほど短くします。延べ竿よりも長くしてしまうと、仕掛けを投げ込むのが難しくなります。渓流釣りに慣れないうちは、一式セットになっている仕掛けを購入しましょう。このとき適合する竿の長さが決まっているので必ず確認します。ぜひ、自分好みの仕掛けを探求してみましょう。
必要なアイテム
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竿
延べ竿(4〜6m)
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天井糸
2号〜3号
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道糸
ナイロン(0.5〜0.8号)
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ハリス
0.4号〜0.6号
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目印
3個程度
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オモリ
ガン玉(3号〜3B)
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ハリ
ヤマメ針など(5〜8号)
03
延べ竿の選び方
Rod
ミャク釣りでは、延べ竿を使います。渓流では、延べ竿の長さは4〜6mがおすすめです。竿がほどよく長いと渓流魚との距離がとれるので警戒心を起こすリスクが減ります。滝壺など離れた超絶ポイントにも仕掛けを投げ込むことができます。竿が短いと川幅が狭い渓流や木の枝がせり出しているポイントで投げ込みやすいです。調子は先調子、硬さは硬調がバランスよく使いやすい延べ竿なので初心者の方にもおすすめです。長さの違う延べ竿を数本用意すると幅広く対応できるようになります。
おすすめ延べ竿
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長さ
4〜6m程度
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調子
先調子
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硬さ
硬調
より繊細な釣りがしたい、パワー重視で釣りたいなど、釣りに慣れてきたら自分のスタイルにあった延べ竿を探してみましょう。
04
リリアンに天井糸を接続する
STEP.1
最初にリリアンに天井糸を接続します。延べ竿は伸ばし切らず、穂先だけを出した状態だと作業しやすいです。まず、リリアンを固結びにしてコブを作ります。次に天井糸を8の字チチワ結びにして、コブに接続しましょう。これを「ぶしょう付け」といいます。
手順
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STEP.1
リリアンを固結びにしてコブを作る
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STEP.2
天井糸を8の字チチワ結びにして、コブに接続する
天井糸は、糸をねじりあわせたヨリ糸で穂先への絡みを防ぐ役割があります。色が赤や黄色の蛍光色だと糸筋が見えやすく、微妙な穂先の絡みが視認しやすくなります。各メーカの天井糸は簡単に接続できるように工夫されているものが多いので、それらを参考にするのもよいです。天井糸の長さは、延べ竿の長さの3分の1程度とります。
天井糸
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種類
ヨリ糸
-
長さ
延べ竿の全長の3分の1程度
-
サイズ
1〜2号
05
天井糸に道糸を接続する
STEP.2
リリアンに天井糸を接続したら、次は天井糸に道糸を接続します。まず、天井糸に8の字結びでコブを作ります。次に、道糸を8の字チチワ結びにしてコブに接続します。リリアンと同様にぶしょう付けをします。
手順
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STEP.1
天井糸を8の字結びにしてコブを作る
-
STEP.2
道糸を8の字チチワ結びにしてコブに接続する
ミャク釣りで使う道糸はナイロンがおすすめです。ナイロンは、伸縮性があり柔らかいので、切れにくく扱いやすい糸です。根がかりなどでスレると切れやいので気をつけます。道糸のサイズは、0.6〜1号で、魚やオモリに耐えられる太さを選ぶとよいです。道糸の長さは、仕掛けの全長に天井糸とハリスの長さを引いた長さにします。
道糸
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種類
ナイロン
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長さ
仕掛けの全長-(天井糸の長さ + ハリスの長さ)
-
サイズ
0.6〜1号
06
道糸にハリスを接続する
STEP.3
天井糸に道糸を接続したら、道糸にハリスを接続します。ハリスはハリとセットになっているものがおすすめです。まず、道糸にクッションゴムをサルカン結びで付けます。ハリスを8の字結びにしてクッションゴムに接続します。クッションゴムを採用することでハリスの交換が簡単になります。また、魚の強い引きを吸収してくれるので糸切れのリスクを減らし、細いハリスが扱いやすくなります。ハリス(ハリ付き)を接続したら目印とガン玉を付けて完了です。
手順
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STEP.1
道糸にクッションゴムをサルカン結びで付ける
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STEP.2
ハリスを8の字チチワ結びにしてクッションゴムに接続する
ハリスのサイズは、道糸と同等か1サイズ細くするとよいです。ハリスを1サイズ下にして切れやすくすると、根がかりや魚に切られた時に、オモリなどの仕掛けを失うリスクが減ります。ハリスの長さは45cm〜1m程度をとるようにします。
ハリス
-
種類
ナイロン(ハリ:5〜8号)
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長さ
45cm〜1m程度
-
サイズ
道糸より同等か1サイズ下
07
釣り針の選び方
Hook
ミャク釣りの釣り針を選ぶときは、対象魚の名前が付いた釣り針がおすすめです。ヤマメ針、イワナ針、マス針などがあります。これらは、メーカーが対象魚にあわせて特化させているので使いやすくなっています。餌の大きさや対象魚の大きさに合わせてサイズを選ぶとよいです。ハリは号数が大きくなるとサイズも大きくなります。
餌によるサイズ(目安)
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川虫
4~7号
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イクラ
6〜7号
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ブドウ虫
7号
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ミミズ
8〜10号
イクラやブドウ虫など餌の付けやすさに最適化したハリもあるので、色々と試して自分のお気に入りを探してみましょう。
08
目印
Mejirusi
目印は3〜4つ程度付けます。結ぶときは2重結びがおすすめです。仕掛けを流しているときは、この目印の動きの変化を感じとるようにします。色は蛍光色や黒などがあるので、自分が視認しやすい色を選びましょう。
目印の位置
最初にガン玉で、底がとれるように重さを調整します。底がとれたら、そのときの目印の位置を確認しましょう。一番下の目印が、水面からどの程度の距離をとればよいか自分がわかりやすい位置に調整します。水面と目印の距離を明確にすることで、安定して底をとることができます。渓流魚に違和感を与えないように、目印は水面より上に位置するようにします。
目印の動き
目印はアタリがあると、沈んだり止まったり動きが変化が生じます。アタリはピクピクと手に感じなくても、目印が反応することがあります。動きの変化を感じたらアワセてみましょう。このとき糸フケがあるとアタリの感度やアワセが難しくなります。目印がくの字に位置になっていると糸がヨレているので、一直線上に並ぶようにします。
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HIT.1
目印が止まる
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HIT.2
目印が浮き沈みする
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HIT.3
目印が円の動きをする
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HIT.4
目印が水流と逆に流れる
09
オモリ
Weight
ミャク釣りのオモリはガン玉を使います。3号〜3Bまでの重さがおすすめです。最適な重さをかどうかを判断するには、目印が目に見える水面の流れよりも遅く流れているかをチェックします。
ミャク釣りは、底をとり餌を川の流れにのせる釣りです。川の底は水面の流れよりも遅いので、遅く流れていたら底を捉えていることになります。
オモリの位置
オモリを重くする場合は、ハリスを多くとる位置にします。これは、短いと魚がくわえた時にテンションがかかってしまい魚が違和感を感じるためです。オモリを軽くする場合は、ハリスを少なくとる位置にします。ハリスを長くとってしまうと、水中で流れの影響を大きく受け釣れにくくなるためです。
10
餌
Feed
ミャク釣りの餌は、イクラやブドウ虫が入手しやすくおすすめです。付け方も簡単なので初心者の方にも安心です。釣り人レベルが上がってきたら、川虫もおすすめです。本来渓流魚が補食している餌なので釣果アップが期待できます。釣具店で購入したり、現地で渓流の岩をめくると捕獲することができます。
イクラ、ブドウ虫は、マメに状態をチェックします。イクラはハリが隠れるように刺します。このときオレンジの目を刺すと潰れやすくなるので避けるようにします。中身が抜けたり白くなったら交換します。1度付けたイクラを長時間使い続けず、常にいい状態で投げ込みます。
ブドウ虫は、頭からお尻にかけ刺します。餌持ちがよく、内容物が抜けたり見た目が「なんかまずそう…」と思ったら交換します。イクラと同様に、常にいい状態で投げ込むことが大切です。
主な餌
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ブドウ虫
ヤマメ、イワナにおすすめ
-
イクラ
ニジマスにおすすめ
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釣り方
Method
ミャク釣りの釣り方は、まず狙うポイントを決めます。次に、そのポイントを流れる川の流れを見極めます。見極めたら、その川の流れの上流に仕掛けを投げ、餌が流れに乗ってポイントを通るようにします。渓流魚は、上流を向いて流れてくる餌を待っているので、必ず上流から流すようにしましょう。立ち位置は狙うポイントの前にします。仕掛けがポイントを通過したら、再度投げ直します。

手順
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STEP.1
狙うポイントを決める
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STEP.2
川の流れを確認する
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STEP.3
上流へ仕掛けを投げる
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STEP.4
餌をポイントへ通過させる
目印が沈んだり回転したり、指先にビビッ!っとアタリがきたら合わせます。ミャク釣りは底をとる釣り方なので根がかりに注意しましょう。ラインは、たるませてしまうとアタリがわかりにくくなるので、垂直に張るようにします。
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入門には
仕掛けセットがおすすめ
Begginer
渓流釣りに慣れていない方は、仕掛け作りに時間がかかり大変な思いをしてしまうかもしれません。そんなときは、仕掛けセットを選ぶとよいです。用意するアイテムは、延べ竿と仕掛けセットの2つだけで済みます。選ぶときは、必ず適合する延べ竿の長さを確認します。仕掛けセットは、4.5mや5.4mの延べ竿用が主流になっています。
セットするときは、まず延べ竿の穂先だけを出し、先にリリアンと天井糸を接続します。接続したら、延べ竿を伸ばしながら仕掛けをほどいていくとよいです。
渓流でヤマメやアマゴを釣るのに適した仕掛け!
仕掛けにクッションゴムを使っているのでアワセた時に、糸が切れにくくなっています。
ハリ | 7号 | ハリス | 0.4号 |
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道糸 | 0.6号 | 適合竿 | 5.4m |
渓流でイワナを釣るのに適した仕掛け!
釣り糸が太めなので、イワナやニジマスなど大きいサイズの魚が掛かったときにも安心です。
ハリ | 7.5号 | ハリス | 0.8号 |
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道糸 | 1号 | 適合竿 | 5.4m |
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おすすめアイテム
Select
39cmという仕舞によりコンパクトに収納しやすく、小物釣りに幅広く使える万能竿!
管理釣リ場などで万能に使えるちょうど良い長さの延べ竿です!仕舞が39cmとコンパクトになり持ち運びやすくなっています。
硬さ | 硬調 | 全長 | 4.5m |
---|---|---|---|
重さ | 122g | 仕舞 | 39cm |
釣行中に起きる煩わしい穂先の絡みを激減!
穂先の絡みを激減させることで、釣行中のストレスを減らすことができます。
種類 | ナイロン |
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長さ | 2.35 〜 4m |
サイズ | 1号 |
高感度、高耐久性に加え、長さ調整が自由にできる天井糸!
長さの調整が自由にできるので、本流から源流まで幅広く対応できます。
種類 | フロロカーボン |
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長さ | 2 〜 4m |
サイズ | 1号 |
高強力・高感度・高い基準でベーシックに使えるライン!
張りがよく使い勝手がよいラインです。耐久力もあるのでコスパがよく初心者の方にもおすすめです。
種類 | ナイロン |
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全長 | 50m |
サイズ | 0.6号 |
イクラでスレたら使いたいブドウ虫に最適な釣り針!
渓流の万能餌であるブドウ虫に最適な釣り針です。ケン付きなので、餌ズレや川の流れによる餌外れを防止してくれます。
ハリ | 7号 | ハリス | 0.4号 |
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視認性がよく渓流に最適な目印!
蛍光なので視認性に優れ、好みの長さにカットして使うことができます。
カラー | ピンク |
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超撥水と2色のミックスで視認性ばっちり!
視認性がよく、糸も0.3号〜0.8号まで幅広く使えます。
適合ライン | 0.3号〜0.8号 |
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「やわらかめ」のガン玉で使いやすいオモリ!
ガン玉がやわらかめで使いやすく、ケースにも重さが表記してあるのでとても便利です。
サイズ | 3/2/1/B/2B/3B |
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まとめ
Summary
ミャク釣りはアタリを手に感じ取れるので、渓流釣りを楽しめる釣法のひとつです。自分で仕掛けを作れるようになれば、仕掛けを効率的に調整することができ、あらゆる延べ竿に対応することができます。釣りに慣れていない方は、仕掛けセットで簡単にセットすることができます。このとき延べ竿の適合サイズか必ず確認するようにしましょう。仕掛けは釣り人それぞれなので、ぜひ探求してみましょう。