犬も歩けば棒に当たる、鬼に金棒、小さい頃に耳にしたことわざ。じつは「いろはかるた」から由来しています。
どのことわざの意味も、物事の本質をとらえたうなずくものばかり。昔の人ってスゴいわ‥と思わせてくれますよね。
今回は、そんな「ことわざ」と「いろはかるた」についてご紹介します。最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

かるたって、いつできたの‥?
古典的な遊びの一つで有名な江戸いろはかるた。江戸いろはかるたは、江戸時代後期に作られたいろは歌のかるたです。かるたの語源は、ポルトガル語の「carta」からきています。
いろはかるたは、「いろは」から始まる47文字に「京」の文字を加えた48字を頭文字にしたことわざの絵札。正月のチビっ子たちの遊び道具になっていたそうです。ことわざは、地方によって異なっていたり時代に合わせて変化しているそうな。
江戸いろはかるた
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語源
ポルトガル語の「carta」
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時代
江戸時代後期
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種類
ことわざの絵札
02
いろは歌とは
Iroha
いろはにほへと〜、何となく口ずさんでいた記憶ありませんか?このいろは歌は、仏教のお経がもとにされているといいます。古くから仮名を覚えるために使われてきたみたいですね。
仮名 | 漢字 |
---|---|
いろはにほへと ちるぬるを | 色は匂へど 散りぬるを |
わかよたれそ つねならむ | 我が世誰ぞ 常ならむ |
あさきゆめみし ゑひもせす | 有為の奥山 今日越えて |
うゐのおくやま けふこえて | 浅き夢見じ 酔ひもせず |
03
江戸いろはかるたの
ことわざ
Proverb
江戸いろはかるたのことわざを、48個を並べてみます。聞いたことのあることわざが、たくさんあるのではないでしょうか。気になることわざがあったら、ぜひ覚えてみてください。
色は匂へど 散りぬるを
字 | ことわざ | 意味 |
---|---|---|
い | 犬も歩けば棒に当たる | 行動すれば何かしら起きる |
ろ | 論より証拠 | 口先より証拠を出した方が明確 |
は | 花より団子 | 外観より内容が重要 |
に | 憎まれっ子 世にはばかる | 憎まれる人ほど、世の中で幅をきかせる |
ほ | 骨折り損のくたびれ儲け | 努力のかいなく残ったのは疲れだけ |
へ | 下手の長談義(ながだんぎ) | 話が下手な人ほど、しょ〜もない話を長々とする |
と | 年寄りの冷や水 | 年齢に合わない危ない行為をする |
ち | ちりも積もれば山となる | 小さなことも重ねれば大きくなるよ |
り | 律義者(りちぎもの)の子沢山 | 浮気などしないまじめな人は夫婦仲もよく子もたくさんできる |
ぬ | 盗人の昼寝 | 何の目的もない行為と思いきや、ちゃんと思惑がある |
る | 瑠璃(るり)も玻璃(はり)も照らせば光る | スゴい人はどこにいても目立つ |
を | 老いては子に従え | 年をとったら何事も子に任せたほうがよい |
我が世誰ぞ 常ならむ
字 | ことわざ | 意味 |
---|---|---|
わ | 破(わ)れ鍋に綴(と)じ蓋 | どんな人にも似合う伴侶がいる |
か | かったいの瘡(かさ)うらみ | 自分より少しでもよいものをうらやむ |
よ | 葦(よし)のずいから天井のぞく | 自分の狭い考えで判断する |
た | 旅は道連れ 世は情け | 世の中を渡るには思いやりが大切 |
れ | 良薬は口に苦し | 自分にためになる忠告は、素直に聞き入れにくい |
そ | 総領の甚六(じんろく) | 長男・長女は弟・妹に比べて世間知らず者が多い |
つ | 月とすっぽん | 形が同じだけで、比較にならないほど差がある |
ね | 念には念を入れよ | 用心に用心を重ねて細心の注意を払う |
な | 泣きっ面に蜂 | 困っている状況に、さらに悪い状況が舞い込んでくる |
ら | 楽あれば苦あり | 楽しいことの後には苦しいことがある |
む | 無理が通れば道理引っ込む | 不正が通る世の中なら、正しいことは行われなくなる |
有為の奥山 今日越えて
字 | ことわざ | 意味 |
---|---|---|
う | 嘘から出た真(まこと) | 冗談で言ったことが本当になってしまう |
ゐ | 芋の煮えたもご存じない | 芋が煮えたかもわからない世間しらずの人 |
の | 喉元過ぎれば熱さを忘れる | 苦しいときも楽になってしまえば忘れてしまう |
お | 鬼に金棒 | 強いものに、さらなる強さが加わる |
く | 臭いものに蓋をする | 都合の悪いことを隠そうとする |
や | 安物買いの銭失い | 安い質の悪いものを買っても、修理や買い替えで高くつく |
ま | 負けるが勝ち | 相手に勝ちを譲った方が自分に得るものがあり勝ちに値する |
け | 芸は身を助(たす)く | 何かしら見つけた技術は、困った時に助けになる |
ふ | 文(ふみ)はやりたし書く手は持たぬ | 文を書きたいが見せれる文を書けず、気持ちを伝えられない |
こ | 子は三界(さんがい)の首枷(くびかせ) | 親というものは子に対する愛情で自由を束縛されてしまう |
え | えてに帆を上(あ)ぐ | 自分の力を発揮できるチャンスがきて、それを逃さず利用する |
て | 亭主の好きな赤烏帽子(あかえぼし) | 異なることでも、同調しなくてはならない |
浅き夢見じ 酔ひもせず
字 | ことわざ | 意味 |
---|---|---|
あ | 頭隠して尻隠さず | 欠点を一部だけ隠して、全部隠したつもりでいること |
さ | 三遍(さんべん)回って煙草(たばこ)にしょ | すぐ休まず、欠点がないように念を入る |
き | 聞いて極楽 見て地獄 | 聞いた内容と、実際に見た内容の差が大きい |
ゆ | 油断大敵 | 少しの油断は、大きな失敗を招く |
め | 目の上のこぶ | うっとおしいもの |
み | 身から出た錆 | 自分の怠りは、いざというとき自身を苦しめる |
し | 知らぬが仏 | 知らない方が自分が不快にならないでよい |
ゑ | 縁は異なもの味なもの | 人の結ぶつきは、どこで生まれるかわからず不思議で面白い |
ひ | 貧乏暇なし | 他のことする余裕がなく時間がつくれない |
も | 門前(もんぜん)の小僧 習わぬ経を読む | 日頃から見たり聞いたりしていると、自然にそれを学び知る |
せ | 急(せ)いては事を仕損(しそん)じる | 事を焦り急ぐと失敗しやすい |
す | 粋(すい)は身を食う | 芸界にもてはやされると、深入して身を滅ぼしてしまう |
京 | 京の夢 大阪の夢 | 人それぞれ夢が違うがゆえ願望も違う |
04
おしゃれなかるたたち
Select
そんな江戸いろはかるたは、いまでは現代版にアレンジされておしゃってぃーに。ぜひ、手にとってみてはいかがでしょうか。
NHK教育テレビで人気の「にほんごであそぼ」のかるた!絵あわせゲームとしても遊べる!
こどもに覚えてもらいたいことわざを、絵あわせかるたにしています。
サイズ | 約19 × 17 × 5cm |
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江戸時代にできたことわざかるた!わかりやすい解説書付き!
誰でもわかる古いことわざで、懐かしさも楽しむことができます。
サイズ | 13.6 × 2.9 × 18.9cm |
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江戸かるたとは、一味違うことわざを楽しめる京かるた!
いろはかるたの京都バージョンを楽しむことができます。
サイズ | 6 × 8cm |
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05
まとめ
Summary
江戸いろはかるたは、小さいお子さんから高齢の方まで、家族で遊べる古き良き遊び道具。かなを覚えたり、脳トレとしても活躍してくれます。
今では、いろは歌のみならず、歴史上の人物や人気アニメキャラなどを題材にしたものもありますよね。ぜひ、家族と過ごす時間に江戸いろはかるたを、ひとつ手にとってみてはいかがでしょうか。
ティーチャーの用語チェック | |
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いろは歌 | 仮名を覚えるために使われてきた歌 |