ベッコウフネアマガイは、アメ色のベッコウ柄がキレイな淡水アワビです。フネアマガイ同様、コケとり能力がとても高く水槽の壁面などに生えたコケを驚く速さでキレイにしてくれます。観賞用としてもおすすめの貝です。
目次
01
ベッコウフネアマガイとは
Bekkou funeamagai
ベッコウフネアマガイは、日本の紀伊半島以南や東南アジアにし生息している汽水性の貝です。名前は、そのベッコウのようなアメ色の柄が由来しています。
フネアマガイと同じくコケとり生体としてバツグンの威力を発揮します。キレイにとってくれるので通り道がわかります。主にガラス面のコケをとりますが、水草、流木、岩どこでも歩きます。底床にも潜るので、場所によっては水草が抜けてしまう場合があります。
混泳可能ですが、フグなど貝を補食する生体は控えます。貝ごと食べられてしまう可能性が高いです。
吸着力がとても強いので、剥がすときは注意します。力まかせに引っ張ると殻が剥がれてしまったり弱って★につながってしまいます。
ベッコウフネアマガイ
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名称
ベッコウフネアマガイ
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別名
淡水アワビ
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生息地
日本、東南アジア
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全長
3cm程度(最大殻径)
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価格
900円〜1300円程度
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寿命
2〜3年
02
オスとメスの見分け方
Type
フネアマガイは雌雄異体(しゆういたい)と言われています。オスとメスの見分けはとても難しく、判別することはほぼ不可能です。
03
水質・水温
Water
水質は、弱酸性〜弱アルカリ性です。汽水に生息している貝なので、極端に酸性に傾いた水質は好みません。水温には丈夫な貝ですが、15度〜28度が適正温度です。夏冬は水温が大きく変化しやすいので気をつけます。専用のファンやヒーターを用意すると便利なのでおすすめです。
貝の殻は、カルシウムなどでできています。カルシウムは酸によって溶けてしまいます。phが5.5以下の酸性になると、ほとんどの貝は生きられないので水質をチェックしておきます。
外部フィルターなどの「ろ過器」は必ず設置するようにします。バクテリアの環境を整え水の浄化作用が働くようにします。環境変化で弱ってしまうと壁面に付く力がなくなったり、ひっくり返っても起き上がれなくなってしまうので気をつけます。
環境
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水質
弱酸性〜弱アルカリ性
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装置
外部フィルター(ろ過器)
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アイテム
ファン(夏)、ヒーター(冬)
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注意点
ph5.5以下の酸性にしないこと
水換え
水換えは、3日に1度の頻度で水槽水の1/3程度換えます。水はカルキ抜きした水を使います。
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水
カルキ抜きした水
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頻度
3日に1度
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水量
水槽水の1/3程度
たくさんのアクアリストから支持を得ている外部フィルター!
外部に設置するので水槽内がすっきりし、構造がシンプルなのでお手入れも簡単です。ベッコウフネアマガイにおすすめのろ過器です。
04
レイアウト
Environment
ベッコウフネアマガイは、とても動きが速く活発に動きます。個体差もありますが、底床に潜って休むこともあるので、底床は少し深さがあるといいかもしれません。器用に複雑な場所も移動するので、事故が起きないように気をつけます。
脱走や事故に注意する
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POINT.1
水槽から脱走しないためにフタをする
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POINT.2
ヒーターに付いて火傷しないようにカバーを付ける
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POINT.3
底床に潜って休むので、底床の厚さを少し作る
夜行性の貝なので、夜の脱走には注意します。フタをすれば確実ですが、水槽の天井と水面までの高さを広めにとってあげれば、水面からでたときに気づいて水中に戻る可能性が高くなります。
05
繁殖・稚貝
Breeding
雌雄異体なので、2匹以上いると卵を産む確立が高くなります。基本的に1匹の場合は卵を産むことはありませんが、メスの場合は、1匹でも無精卵を生むことがあります。産卵は、ガラス面や水草などに卵を産みつけるので気になる場合は、スクレーパーなどのヘラでそぎとります。
産卵
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POINT.1
メスの場合は、1匹でも卵を産む場合がある
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POINT.2
淡水の水槽で孵化させることはできない
ベッコウフネアマガイの幼生は、海に降りて川に再遡上する生態なので、淡水の水槽内で孵化させて育てることはほぼ不可能です。
06
導入・水合わせ
Matching
ベッコウフネアマガイは丈夫な貝ですが、水合わせはしっかり合わせます。点滴方法でゆっくり時間をかけて慣れさせます。このときも、脱走しないように気をつけます。
用意しておきたいアイテム
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水合わせキット
点滴方法で水合わせできる
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バケツ
生体を水質に慣れさせるための容器
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透明ビニール
水温合わせ用に水槽に浮かべる
ベッコウフネアマガイは、吸着力がとても強いです。上手に剥がさないと弱ってしまい★のリスクが高くなります。自信のない方は、ショップのビニールごと入れての水合わせがおすすめです。
手順
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STEP.1
ビニールごと入れ、バケツで6時間ほど点滴方法であわせる(2秒に1滴程度)
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STEP.2
バケツの水がたまったら半分すてる×3(ショップの水の濃度は6倍以上薄める)
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STEP.3
ビニールを最小限に切り取る
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STEP.4
ビニールごと水槽に導入し移動したらビニールを回収する
ベッコウフネアマガイの移動速度が速いことを利用してあげれば、剥がして弱らせるリスクをなくすことができます。
魚の負担を最低限に抑える水合わせの必須アイテム!
コックを調節して点滴の水量を調節することができます。丁寧な水合わせに必須なキットです。
07
ベッコウフネアマガイの餌
Feed
ベッコウフネアマガイの餌は、コケと有機物です。主に、ガラス面のコケを食べてくれますが、流木や岩についたコケも食べてくれます。コケとり能力が非常に高く、コケや有機物が不足すると餓死してしまう可能性があるので、大量投入は控えた方がよいです。
貝類は、魚の死骸や残餌、排泄物などなんでも食べる食性を持っています。コケがなくなりエサ不足を感じたら沈殿性の人工餌を与え、様子をみてみましょう。
手順
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よく食べる
藍藻、茶ゴケ、有機物
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あまり食べない
糸状コケ、黒ヒゲコケなど
08
相性がよい混泳
With
ベッコウフネアマガイは硬い殻に覆われているため、ほとんどの魚と混泳させても問題ありません。ただ、貝を餌とする貝食性のフグ系は殻ごとバリボリ食べられてしまうのでNGです。
熱帯魚
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POINT
貝食性でなければOK。
ミナミヌマエビ
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POINT
フネアマガイと一緒にコケとりに活躍してくれます。
ミナミヌマエビなどエビ類と一緒にすると、水槽のコケとり能力もアップしておすすめです。

09
上手にベッコウフネアマガイを剥がす方法
Peel off
ベッコウフネアマガイは、吸着力がとても強くなかなか剥がすことができません。力まかせに垂直に引っ張ったりすると大ダメージを受けてしまい弱ってしまいます。掴んだら横に揺らしズラしながら少しずつ剥がします。
剥がし方
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POINT.1
掴んで垂直に力を入れない
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POINT.2
左右にスライドさせながら、揺らして剥がす
剥がすことが難しい場合は、移動中のタイミングを狙います。移動速度が速いので、進路方向に薄いプラスチックやフィルムを乗せ、通らせたところをすくいます。果物のプラ容器だったり身近なモノを利用してみましょう。自己責任でお願いします。
10
殻が浸食されてるけど…
Hibi
ベッコウフネアマガイは成長したり老体になると殻の頂部が浸食されますが、飼育には問題ありません。
11
水質を計る方法
Measurement
ベッコウフネアマガイは、極端に水質が酸性に傾いていると弱ってしまいます。導入する前は、水質を確認しておきます。デジタル計測や試験紙を利用することで簡単に計測することができます。
水槽水のphを0.01の最小表示桁まで表示できる精度の高い測定器!
小型で使いやすく、バックライトの液晶ディスプレイでデータも読みやすい測定器です。
測定範囲 | pH 0 ~ 14 |
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水槽水に、たった1秒ひたすだけで、6項目の水質チェックが出来る試験紙!
試験紙を水にひたして、水槽水のphなどを計測できます。試験紙なので、即時に計測できるのが便利です。
サイズ | 12 × 4 × 12cm |
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夏や冬の水温が心配…
Temperature
夏と冬は水温の変化が大きくなり注意が必要です。しっかり管理しないと生体に大ダメージとなって★になりやすいです。とくにベッコウフネアマガイは低温に弱い印象を受けます。選ぶときは、必ず製品の適合水槽を確認します。
サーモスタットの一体型新構造オートヒーター、魚を熱から守るカバー付きで安心!
魚をやけどから守るヒーターカバーが付いているので安心して導入できます。本体が水から出てしまった場合、温度が上がらない機能がついているので安全面ばっちりなヒーターです。
型番 | SH120 |
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サイズ | 11.2 × 6.5 × 27cm |
重量 | 383g |
調整水温 | 15~35度 |
冷えすぎ防止サーモスタットが内蔵されていて安心、夏の水温調整に最適なファン!
取り付け簡単なクリップ式のファンです。サーモスタットが内蔵されているので、水槽の水が冷えすぎることがありません。
型番 | CFT-30 |
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サイズ | 8.5 × 2 × 16.5cm |
重量 | 88g |
冷却効果 | -3℃ |
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ベッコウフネアマガイを飼育しよう
Slect
ベッコウフネアマガイは、貝類の中でも1匹であれば爆発的に増えるリスクが低く飼育しやすい貝です。
ベッコウ柄がキレイな最強のコケとり貝!
ガラス面のコケをはじめ、流木や岩のコケとりに大活躍してくれるフネアマガイです。
驚きの速さでコケを掃除してくれる優れた貝!
柄はベッコウではなく貝らしい色合いをしたフネアマガイです。「フネアマガイ」というと、多くはこの種のことを指します。
14
まとめ
Summary
ティーチャーの用語チェック | |
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雌雄異体 | オスとメスがが別々の個体であること |
水合わせ | 導入時に、水質ショック死や大きなダメージ受けないように順応させること。 |